樹洞のある丸太を人工巣洞の素材として活用する際、最大の技術的課題となるのが乾燥過程における割れの発生です。 丸太のまま自然乾燥を進めると、辺材(外側)から乾燥が始まり、心材(中心部)まで乾燥する過程で、ほとんどの丸太にひび割れが発生してしまいます。 なぜ丸太は割れるのか―木材科学の視点から 木材の乾燥割れは、含水率の不均一な減少によって引き起こされます。木材科学では、この現象を以下のように説明しています。 乾燥応力の発生メカニズム 辺材(外側)が先に乾燥して収縮を始める 心材(中心)はまだ水分を保持しており収縮しない 外側と内側の収縮率の差が応力(張力)を生む 応力が木材の引張強度を超えると割れが発生 特に樹洞を持つ丸太の場合、内部に空洞があることで応力の集中点が生まれやすく、通常の丸太よりも割れが発生しやすい構造的脆弱性を持っています。 水中乾燥準備中の樹洞丸太 この割れは、人工巣洞として使用する際に以下の問題を引き起こします。 野鳥の営巣空間の気密性低下(温湿度の不安定化) 雨水の浸入による内部腐朽の促進 捕食者の侵入経路となるリスク 製品としての美観と耐久性の低下...
source https://www.senteiyasora.com/post/tree-cavity-log-water-seasoning-traditional-method
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