2026年7月29日水曜日

四日市市松本 松本城跡の立ち枯れコナラ2本を特殊伐採(白色腐朽の裏づけと搬出)

三重県四日市市松本にある松本城跡で、立ち枯れたコナラ2本を根元近くまで伐らせていただきました。 この春、一本のコナラの大木には幹に二段のサルノコシカケを見つけ、中まで腐朽が進んでいると見立てた木です。夏にその見立てを確かめながら2本のコナラを伐採させていただきました。 対象は隣地の住宅が近いコナラでした。倒れる方向を選べない場所で、根元から普通に伐り倒すことはできません。老木が弱ることは森の終わりではなく、共存を考えた森へ変えていく転機です。安全に、丁寧に、順を追って高い所から降ろしていきます。 木に登り、上部の枝と幹を少しずつ切り分けるクライミングでの特殊伐採です。落とせない方向がある現場では、地上から一気に倒すのではなく、上から短く区切って降ろすことで、住宅にも電線にも触れさせずに進められます。 上部を処理したあと、残った幹をクレーン車で吊りながら玉切りにしていきます。腐朽が進んだ幹は内部の強度が読みにくく、吊って支えながら切ることで、切った瞬間の裂けや落下を防ぎます。 玉切りにした材は、その場でクレーンと軽トラックに積み込み、搬出します。城跡の斜面地で足場が限られるため、人...

source https://www.senteiyasora.com/post/yokkaichi-matsumoto-konara-bassai-2026

2026年7月28日火曜日

花や葉だけじゃない。樹皮の観察もおもしろい 植物本 樹皮ハンドブック

樹皮ハンドブック(林将之 著、文一総合出版)は、樹木の樹皮、つまり幹の表面に焦点を当てた、木を見分けるための実践的なフィールド図鑑です。 花や葉をポイントに見分ける植物図鑑は多くありますが、樹皮に特化した本は珍しいなと思い、手に取りました。 マツやスギ、ヒノキ、ケヤキ、モミジ、カエデなど、身近な樹木や有用樹をあわせて158種が掲載されています。 一つの樹種につき、若木・成木・老木という3つの状態の樹皮写真、全画像500点を比較できるようになっています。 日本で初めての樹皮図鑑でもあります。 この本を見て、樹皮は樹の成長状態によって表情が変わるのだと、あらためて気づかされました。 普段何気なく目にしている樹木も、若い頃と年を重ねた頃では、まるで別の種類のように見えることもあります。 人間のシワや肌のハリが変化していくのと、同じイメージですね。 樹皮は大きく、横筋、平滑、縦筋、縦裂、網裂、斑剥と分類もされています。 この木は何の樹種かと気になったときに、まず分類から目星をつけて、一覧画像から調べられるのは便利です。 一緒に掲載されている葉のスキャン画像でも確認できます。...

source https://www.senteiyasora.com/post/tree-bark-handbook-book

伐採した木が、鳥の家になる。亀山里山公園に人工巣洞を設置しました

三重県亀山市の亀山里山公園みちくさにて、クワ(桑)の木に人工巣洞を1基設置しました。今年の夏、二名で入っての作業です。 この公園には、今年の5月にも入らせていただきました。高木のクスノキを枝打ちした場所です。そのときの記録は、こちらにまとめています。 ・里山公園のクスノキ枝打ち → kameyama-satoyama-kusunoki-pruning-2026 ・里山公園で考える、高木管理と生物多様性のこれから → 記事を読む 今回はその続きとして、人工巣洞の設置と、5月に枝打ちしたクスノキがその後どうなったかの経過観察を行いました。 伐採した木で、鳥の家をつくる 人工巣洞というのは、自然の樹洞(じゅどう)のかわりになる巣箱のことです。シジュウカラやヤマガラのような鳥は、もともと木の幹にあいた洞(うろ)に巣をつくります。 けれど、そうした古い木や洞は、人の暮らしが広がるにつれて少なくなってきました。 今回設置した巣洞は、剪定屋空が手がける木鳥商店で、伐採や剪定で出た木からつくったものです。 本体と床は、菰野の雑木林で伐ったキリ(桐)。屋根と取手は、菰野の神社のスギ(杉)です。どち...

source https://www.senteiyasora.com/post/kameyama-satoyama-artificial-nest-box-2026

2026年7月26日日曜日

朝に手を入れた庭に、夜は音が響く。尾上別荘庭園 夏の二日間

四日市の尾上別荘庭園で夏の二日間。笹の手入れと流れの清掃、苔に光を戻す砂利どかし、中木の剪定。朝に手を入れた庭に、夜はお琴が響く。日本庭園の年間管理の記録です。

source https://www.senteiyasora.com/post/yokkaichi-onoebesso-garden-summer-2026

2026年7月25日土曜日

夏の淡竹竹林、道路に倒れかかる竹を伐る(三重県鈴鹿市 竹林年間管理)

三重県鈴鹿市で年間管理をお預かりしている淡竹(ハチク)の竹林へ、夏の定期の手入れに入りました。冬から春にかけて道路沿いを明るくしてきた場所です。二年目の夏、竹も下草も、一年でいちばん伸びる季節を迎えていました。 七月の竹林は、勢いがちがいます。梅雨の水を吸い上げた竹はぐっと重くなり、放っておけば道路側へ傾いてきます。 手を入れる前の道路沿いです。下草が伸びて路肩まで緑が押し出し、竹も道路側へかぶさってきていました。 竹林の内側も、つる植物と下草が絡み合い、水路のまわりまで覆っていました。この日まず手をつけたのは、道路側に倒れてきていた竹です。通行される方や車の目線に入る前に、倒れかかった竹から先に伐る。あとから中を整えるのではなく、危険なものを先に片づける。順番を守ることが竹林管理の安全の土台になります。 倒竹を片づけたあと、竹林の中では若竹の伐採整理と下草刈りを進めました。淡竹は地下茎でつながり、放っておけば若竹が次々と立ち上がってきます。この夏に出た若竹を整理しておくことが、来年の密度を決めます。 ビフォー アフター 手を入れたあとの竹林は、地面まで光が届きます。二年前、暗く...

source https://www.senteiyasora.com/post/suzuka-hachiku-annual-management-2026

2026年7月24日金曜日

悪魔の木と呼ばれる理由。手が付けられなくなる前に… シマトネリコ

最近SNSで話題になった、悪魔の木。 ちょっと恐ろしい呼ばれ方をされている樹木の正体は、シマトネリコです。 先月のブログでも紹介した植物ですが、爽やかでナチュラルな雰囲気のシンボルツリーとしてよく選ばれる、人気の庭木です。 初夏には涼しい木陰もつくってくれる、見た目も美しい樹木。 お世話に手がかからない強さも、普及のポイントになっています。 しかし、その強い性質こそが、悪魔の木と呼ばれる理由でもあります。 とにかくよく育ち、その成長スピードは樹木の中でもトップクラス。 環境が合えば1年で50cm以上、剪定せず放置すると、あっという間に5mから10m、二階の屋根に届いてしまった、ということも珍しくありません。 SNSでは、境界を越えてしまった、種が飛んで大変、水道管が心配など、逞しすぎるシマトネリコに手を焼く声が並びます。 自力で抜根を試みたものの、根の深さと大きさに諦めて、専門業者に依頼したという体験談も見かけます。 そのエピソードを知って、まだ小さいけれど怖くなって抜いた、という投稿も多く目にしました。 とはいえ、シマトネリコは付き合い方次第で、庭の頼もしいパートナーになります...

source https://www.senteiyasora.com/post/shimatoneriko-devil-tree-management

涼しさで名づけられた木と、花のかたちで名づけられた木

桑名市の近藤様の洋庭で定期管理。シマトネリコは涼しさで、トキワマンサクは花のかたちで名づけられた。隣り合う二本の名前に残る、人が木に注いだまなざしの違いをたどります。

source https://www.senteiyasora.com/post/shimatoneriko-kokage-loropetalum-kuwana

2026年7月22日水曜日

Not Wilderness, But Satoyama: Why We Joined Japan's National Network for Human-Shaped Nature

Sentei-ya Sora has joined the SATOYAMA Initiative Promotion Network. The reason is a bamboo slope in Mie Prefecture where 31 young trees took hold, and a question we could not answer alone.

source https://www.senteiyasora.com/en/post/not-wilderness-but-satoyama-why-we-joined-japan-s-national-network-for-human-shaped-nature

伐らせていただいた木に、富貴蘭が咲いていた。江戸の園芸文化と、着生蘭のこと

伐らせていただいた木の幹に着生していたフウラン。銀白色の根で幹に活着している。 以前、伐採のご依頼をいただいて伐らせていただいた木がありました。 その幹に、白い花が咲いていました。 細い葉を扇のように広げ、根を幹に巻きつけて。土に生えているのではなく、木そのものの上で暮らしている植物でした。 フウランです。漢字で書けば風蘭。園芸の世界では富貴蘭とも呼ばれます。 木を伐るという仕事は、その木の一生を預かる仕事でもあります。だから伐る前に、いつも幹をよく見ます。今回、その幹には、誰かの気持ちが宿っていました。 この蘭は、どこから来たのか フウランは、関東より西の低い山地に自生する着生蘭です。三重県もその分布のなかにあります。ですから、風で種が飛んできて、自然に木へ着いた可能性もゼロではありません。 けれど、株がひとところにまとまり、これだけ見事に花をつけている姿を見ると、私にはどうしても、施主様が好きで幹に活着させたものに思えました。断定はできません。 ただ、フウランを庭木に着けて楽しむという文化はかなり昔からあります。 江戸の人々は、この蘭に熱狂した...

source https://www.senteiyasora.com/post/fuuran-epiphyte-edo-orchid-culture

2026年7月21日火曜日

カーネリアン(紅玉髄)の鮮やかな赤と縞模様 アークトチス プルミエ カーネリアン

アークトチスは、南アフリカ原産のキク科の植物です。 ガーベラやマーガレットにも似た華やかで可憐な花姿、すっきりとした草姿が魅力です。 オレンジ色や黄色、白、薄いブルーなど、花色もカラフル。 シルバーリーフの品種も多く、葉色も楽しめます。 日中に花が開き、夜には花が閉じる性質があります。 名前のアークトチスは、種子の毛の形に由来し、ギリシャ語のarktos(熊)とous(耳)から来ています。 和名の羽衣菊(ハゴロモギク)は、繊細な花姿が天女の羽衣を思わせることにちなんでいるようです。 熊と羽衣。受けるイメージの違いも面白いですよね。 昭和初期に日本へ渡来したのは、アークトチス・グランディスでした。 現在は交配種や園芸品種も多く流通し、ガーデナーに人気の花となっています。 画像は、アークトチス プルミエ カーネリアン。 日本のゲブラナガトヨさんオリジナルのアークトチスで、プルミエシフォンシリーズに登場した、目の覚めるような鮮やかなオレンジ色の花です。 他のアークトチスより発色が美しく、ベインと呼ばれるすじ模様も魅力的です。 カーネリアン(紅玉髄・べにぎょくすい)は、鮮やかな赤やオレン...

source https://www.senteiyasora.com/post/arctotis-premier-carnelian