6月の里山や庭園で、クリの木が白い穂状の花を咲かせる。その近くに立つと、動物的な、少し刺激的な、れでいてどこか野性的な香気が漂ってくる。 あの独特の匂いに戸惑う人は多い。しかしその香りは、クリが何万年もかけて磨き上げた生存戦略の産物です。化学成分から生態学的な理由まで、掘り下げてみました。 クリの雄花と雌花―小さな花の大きな役割 クリが開花するのは6月中旬から7月上旬。枝先から垂れ下がるように伸びる長さ10〜15cmの白い穂が雄花。 あの強い香りはすべてこの雄花から放散されている。一方、雌花は雄花穂の根元にわずか数個しかついていない。目を凝らさないと見つからないほど小さい。この数の非対称さが、クリの受粉戦略を複雑にしている。 あの独特な香気の正体――フェネチルアミン 2018年、Springer Natureの学術誌(Analytical and Bioanalytical Chemistry)にクリの花の香気成分を分析した研究が発表された。 主成分はフェネチルアミンというアミン化合物。フェニルアラニンというアミノ酸が植物内の酵素によって変換されて生成される物質で、腐った魚・発酵...
source https://www.senteiyasora.com/post/chestnut-flower-fragrance-ecology
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